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娘さんを僕にくださ.pdf

一般家庭の家の居間。父親と若い男が向かい合って座っている。 若い男「娘さんを、僕にください。」 父  「ダメだ。」 若い男「待ってください!」 父  「娘は、よしこは物じゃないんだ。1人の人間だ。あげるとかじゃ・・・ないだろ」 若い男「よしこさんが僕と結婚した方がいい理由は大きく三つあります!」 若い男、パワポを使ってプレゼンを始める。 若い男「パワポを作って参りました。」 父  「違う違う。そういうことじゃなくて」 若い男「ご安心ください!私はこう見えて年収1千万あります!」 父  「ホントかよおい!他人の話聞かないのに?!」 若い男「現時点で年収一千万ということは———」 父  「おい。俺の話を聞けよ。」 若い男「よし子さんは働かなくて大丈夫でーす!」 父  「おいダメだぞこいつ!おーいよしこー!こいつはやめとけー!」 以下、若い男はずっとプレゼンを続けている。よし子、居間に入ってくる。 よし子「なによお父さん。何がダメなのよ!」 父  「最低限、会話はできないと・・・大変だぞ?」 よし子「お父さんはいつもそう!頭ごなしに否定して、私だって1人の人間だよ!」 父  「いや、俺さっき同じこと言ったんだよ。そしたらこいつが———」 よし子「だいたい時代錯誤なの!お父さんが許さなくても結婚するから!」 父  「いやそう。それはそうだけど、これは別!娘じゃなくてもこいつは反対!」 よし子「お父さんのわからずや!彼は年収一千万なのよ!そしたら、毎日私は遊び放題なのよ!」 父  「お〜い母さ〜ん!クズが2人家に上がってきてるぞ〜!」 母、居間に入ってくる。 母  「遊びにもよるけど、今の時代、一千万じゃちょっと厳しいんじゃない?」 父  「へい母さん!そこじゃないだろ!」 よし子「缶蹴りとかならいける?」 父  「おい子供!いつまでも俺の娘!」 母、電卓で計算 母  「缶コーヒーが一本130円かけるの365で47450円の、缶蹴りを毎日やるとなると週に一回は整体入れて」 父  「へい母さん!へい!」 母  「お友達への謝礼が一日一万円として———」 父  「そういう時代なの?」 若い男「ご安心ください!僕は人脈にも恵まれているので友達はそこから派遣します!」 父以外の3人、盛り上がる。 母  「これなら年間30万もあれば遊び放題よ!」 よし子「わーい。」 若い男「というわけでお父さん!お任せください!」 父  「も〜好きにして!」

ステレオタイプの親父と思わせておいて、実はそこから脱却しているけれど、周りからは逆にステレオタイプの親父と思われていて抜け出せない親父の葛藤みたいなものを描きたくて書き出したけど、母親の登場からおかしな方向になってしまいました。 変更の可能性、大いにあるけど尺自体はそんなに長くしないつもり。

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