‎海外の病院の状況(図).‎001.jpeg

新型コロナウイルスの世界的流行が始まってから丸5年が経過しようとしている2024年12月現在、海外の多くの病院では特別な面会制限を行なっていません。 Newsweek誌が毎年発表している世界病院ランキングの2024年版では、各国を代表する大病院が名を連ねています。これらの病院のホームページにある「面会のルール」を見ると、病室スペースの問題で面会の人数制限はあるものの、特別の時間制限はなくコロナ以前と同様の形で面会が行われていることが分かります。 さらに特筆すべきことは、どの病院のホームページにも「面会の重要性」に関する記載があることです。例えばカナダのトロント総合病院のホームページには「治療中は、ご家族やご友人を訪問されることをお勧めします。愛する人が近くにいることで、患者さんはより快適になり、回復が早まることを私たちは知っています」という文章がページ最上部にはっきりと載っています。  同様にアメリカのジョンス・ホプキンス病院では「ケア・パートナーや面会者は、患者の治療とケアに欠かせない存在である」、マサチューセッツ総合病院では「私たちは、ご家族やご友人の訪問が癒しのプロセスの重要な一部であることを理解しています」、スイスのチューリッヒ大学病院にも「親族、友人、同伴者は、患者の回復につながるため、大歓迎です」と積極的に面会を勧める記載が見られます。 海外の病院は面会をケアの一部と捉え、患者さんの治癒プロセスにとって面会がきわめて重要であることをしっかりと認識し、その上で最低限の面会ルール/制限を設けていることが分かります。しかし日本の病院のホームページにはどこを見てもそうした記載が全くなく、残念ながら面会もケアの大切な一部であるという認識が欠如してしまっているのが現状です。